工事名称: | 東京大学(駒場Ⅰ)数理科学研究科大講義室天井改修工事 | ||
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工事場所: |
東京都目黒区駒場3-8-1(東京大学構内) | ||
工 期: | 2019/11/20~2020/03/31 | ||
規模構造: | 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造) 地上6階建て、塔屋1階 建築面積:1465.48㎡ 延べ面積4745.79㎡ 改修延べ面積299.77㎡ |
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工事内容: | 数理科学研究科大講義室における天井改修工事 天井面積:300 ㎡、天井高さ:4.0~6.1m 改修内容:天井撤去、耐震天井を新設、電気及び機械設備の補強 |
詳細
本工事箇所は、大講堂の特定天井である。音響効果を考慮した天窓を中心に、折れ天井が放射状に立ち上がっている複雑な意匠の天井で、この特定天井を準構造耐震天井に改修することが本工事の主な依頼目的であった。
工事課題として、既存天井を全撤去した上で、支持構造部の鉄骨を複雑な形状の仕上げに合わせて組み上げなければならなかった。そのため、どのような手法で既存形状をトレースしていくか、重構造部材をどのように仕上げレベルまで加工していくか、検討を重ねる必要があった。
既存形状をトレースするために、既存天井下地を一部残し、空中墨として使用して対応した。
鉄骨が複雑な形状のため詳細なプレカットが不可能。そのため足場で上空にステージを組み立て、鉄骨の簡易加工場を用意。現地で鉄骨の加工ができるようにした。もちろん、その際は全面に防炎養生を施した。
また図面だけでは伝わらない納まりの検討や施工精度、技術基準などをスムーズに管理。複雑な形状の直貼り天井という施工上の難題を無事に解決した。
工事名称: | 東京大学(駒場Ⅱ)実験研究棟(1号館)改修工事 | ||
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工事場所: |
東京都目黒区駒場4-6-1(東京大学構内) | ||
工 期: | 2018/11/15~2019/03/29 | ||
規模構造: | 鉄筋コンクリート造、屋根の一部鉄骨造 地上2階建・地下1階建て、塔屋1階 建築面積 1,222㎡,延床面積 1,581㎡ |
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工事内容: | 1号館改修に伴う建築工事一式 内部改修床面積約300㎡ 屋根瓦改修面積約600㎡ |
詳細
1号館には、1930年に建造された木製風洞(通称:3m風洞)がある。3m風洞は航空研究所が駒場地区に移転した直後から稼働。1938年に長距離飛行世界記録を作った航研長距離機や、国産旅客機YS-11等の設計にも関わり、3m風洞は日本の航空史を語る上で極めて重要な実験装置として、2019年に一般財団法人日本航空協会から「重要航空遺産」の認定を受けている。
本工事は、この3m風洞の保全を伴った建築物として安全基準も満たすことが要件となった。具体的には本工事建物の屋根、外壁及び内部が工事箇所となった。
3m風洞だけでなく、本工事の対象となる建物も1927年竣工の歴史的建造物であり、航空遺産でもある。
創建時の意匠を継承するため、瓦、タイル、木部、木建など綿密な調査を行い多数のサンプルやモックアップを作成しては検証を行い、可能なかぎり当時の意匠の復元を行った。それと同時に、現代の基準に合致する安全性を付加するため、耐震補強、屋根スラブ改修及び瓦の葺き替え、外壁改修、内部改修などを行った。
完成時には航空宇宙工学分野の権威が見学に列席し、美観や安全性、機能性について高い評価を得た。
工事名称: | 東京大学医学部附属病院予防医療国際化事業整備工事 | ||
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工事場所: |
東京都文京区本郷7-3-1(東京大学構内) | ||
工 期: | 2020/09/01〜2021/01/31 | ||
規模構造: | 鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造 地下3階地上15階(14階部分) 改修面積 608.4 ㎡ |
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工事内容: | 天井:既存撤去→新規LGS+PB(一部既存) 壁:新規耐火区画間仕切、一般間仕切り設置 建具:鋼製(電気錠)、木製建具新設延べ面積 5.81 ㎡ 内装:天井 EP塗装・壁 塩ビシート、ビニルクロス仕上 装飾:エントランス・ラウンジの天井メダリオン、壁に化粧巾木廻り縁、モールまた廊下に展示用スペースニッチ |
詳細
本工事建物は、近年新築された入院棟Bの14階南面に、外国人富裕層を対象とした、最先端技術を導入するメディカルチェックセンターの新設が工事依頼であった。世界のセレブが集う場として、国内最高医療機関である東大病院が満を持して新規参入するプレミアム感を、限られた予算内で如何に重厚感を演出するかがキーワードとなった。
現在トレンドであるラグジュアリーホテル等の内装とは異なり、クラシカルな重厚感を感じさせる内装仕様は、工事監督および会社の技量が問われる工事依頼であったが、床面の石目調タイル、カーペットのデザイン貼り、壁面の木目調塩ビシート貼りがしっかりと納まり、各所に施されたモールディング等の装飾がアクセントとして映える造りとなり、仕上がりのクオリティを応えることができた。
現在稼働している病院敷地内、患者様が入院している入院棟、医療スタッフが存在しているフロアーでの施工は、気を遣い過ぎても尽きることのない、神経をすり減らす工事であることは想像に難しくない。動線を区別する提案、仮設の作り込みから始まり、重厚感を保ちつつフラットフロアとする。工事は騒音振動の極力少ない工法選定。すべての内装材は検討に検討を重ね、関係者様に同意を頂いた。
また、当初オリンピックインバウンドを見込んでいたために開業日が定められていた。短期間での完成を余儀なくされ、時間との格闘に苦慮したが、緻密な工程表を作成し、しっかりしたスケジュール管理で作業を進めたことで、無事に完成を実現した。建・電・管と分離発注されたなかで、建築担当として現場をハンドリングし、精緻なプロット図を作成して指示した。電気・設備担当会社もこれに応えることで現場内が会社を超えた「ワンチーム」となり、すべての事業関係者から信頼と納得を勝ち得た高品質の工事として引き渡すことができた。
工事名称: | 日本女子体育大学附属保育園改修工事 | ||
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工事場所: |
東京都世田谷区船橋7-20-16 | ||
工 期: | 2019/07/01~2019/12/25 | ||
規模構造: | 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造 地上2階 改修面積 723.48 ㎡(建築面積495.15 ㎡) |
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工事内容: | 既存園舎の改修及び駐輪場、倉庫増築工事、園庭等外構工事 園舎(改修) 駐輪場(増築) アルミ造 延べ面積 19.05 ㎡ 防災倉庫(増築)鋼製 延べ面積 5.81 ㎡ 倉 庫(増築) 鋼製 延べ面積 5.81 ㎡ |
詳細
本工事建物は、元々世田谷区が管理している保育園だったが、園の運営を民間委託する際に、老朽化した建物内外装の改修工事と同時に、電気、機械設備の更新も行う必要があった。
建築工事においては、既存外壁の吹付材にアスベストが含有されていたため、事前にアスベストの除去工事を行った上で、屋上防水・外壁改修(一部サッシ交換)内装全面改修、外構改修を行わなければならなかった。
電気設備工事は引き込み電気容量の拡幅に伴って変電設備設置し機器を更新。機械設備工事では給水方式を高架タンクから受水槽によるポンプアップ式に変更する必要があった。
外壁改修は、アスベストの塗膜状況や構造の劣化状態を事前調査して処置方法を識別してから工事を行った。
アスベスト除去は、計画段階で超高圧洗浄バキューム工法を採用していたが、近隣に対する騒音対策(発電機のエンジン音、作業時の騒音)が難しく、さらに洗い流した汚染水の処理水槽の配置がスペース的に困難だったため、集塵装置付きディスクグラインダーケレン工法に変更した。
ケレン工法を採用したことから、真夏のさなかに外部足場内を完全密閉養生した工事となった。このため、作業環境に配慮し、作業時間を短縮。さらにクールダウン用の休憩所設置等を設置して工事従事者の入念な熱中症対策を行った。
内装工事については未就学児を考慮して化粧合板を割り付けし、電気や設備のスイッチコンセント配置に気を遣った。
その他、敷地前面が私立高校のため、登下校時間は搬出入車両を制限。近隣との工事騒音も連絡調整を心掛けた。
工事名称: | 世田谷N邸 | |||
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工事場所: |
東京都世田谷区北烏山 | |||
工 期: | 2018/09~2019/03 | |||
規模構造: | 木造2階建て 建築面積102.6㎡ 延床面積123.36㎡ 改修面積123.36㎡ |
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工事内容: | 構造材補修、屋根・外壁改修、内装改修、電気・機械設備改修 |
詳細
事務所とビルドインガレージを兼ね備えた住居で、首都直下型大地震に耐えうる耐震性能を設けたいという建築要件であった。当初、新築工事として検討を始めたものの、建物機能と土地条件を考慮し、リノベーション工事へ変更提案した。
地震に備えた構造の点検も兼ねて、屋根・外壁も撤去し、スケルトンとする計画を建てる。耐震補強を行うものの、工事金額を抑えるために既存の梁・柱は極力配置変更せず住空間を設計した。
家族がそろうリビングは、一部を吹き抜け空間として解放感を持たせ、大きな開口を東側に設けて自然光をしっかり室内に採光するとともに、リビングに続く廊下の西側にも開口を設けることで、通風性の高い住居空間とした。
屋根と外壁を撤去すると、予想以上に梁・柱が腐朽菌に侵されていることが判明。傷んでいる梁・柱材の入替えを行った。建物の長い寿命を目指す上で、確実に目視・触診にて確認し、対処することが大切である。
造り付家具にIKEAの既製品を使用することで家具製作費を抑え、シックハウス、調湿効果に優れた漆喰仕上げを採用。一般人でも使用できる材料にすることで、建築人件費を抑制するだけでなく、将来の修繕費用の削減も見込んだライフサイクル全体のコスト削減に成功した。
今後も要望通りに施工するだけではなく、施主の負担軽減案としてVE(Value Engineering)案を自発的に提案していきたい。
工事名称: | 東京大学(本郷)武道場改修工事 | ||
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工事場所: |
東京都文京区本郷7-3-1(東京大学構内) | ||
工 期: | 2014/07/18〜2015/01/30 | ||
規模構造: | 鉄筋コンクリート造 地上1階建て 建築面積 671㎡、延床面積 724㎡、改修面積 449㎡ |
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工事内容: |
屋根改修、外壁改修、建具,内装改修、耐震補強、電気、機械設備改修 |
詳細
本工事建物は元東京帝国大学総長・内田祥三(うちだよしかず)先生の設計。「内田ゴシック」とは異なるRC造和風建築物として歴史的に重要な建築物です。弓道場の「育徳堂」と対をなす建物で適切に保全をしていくことが必要でした。本工事建物は竣工から75年が経過しており、各所、経年変化、劣化、破損などが見られました。平成6年に一部改修工事を行われ、また施工年月日は不明ですが建具類のSOP塗装など部分的な改修がされた形跡があり、北面での色違い等が見られました。
わたしたちが依頼を受けた改修工事においては、①耐震性、電気、機械設備等の機能性を確保するとともに、劣化部・破損部の改修を適切に行うこと。②全体を創建当時の姿近づけ、歴史的建造物の維持・保全、未来に継承すること、が改修の要件となりました。
屋根部においては、75年前に京都で焼成された瓦・鬼瓦など65,000点にも及ぶ瓦部材と、部分補修された現代瓦が混在している状況で、創建当時の瓦で破損の無いものだけ選別、清掃、検査を行って再利用しました。不足分となる瓦は古来中国南朝より伝えられた「素弁蓮華紋」などの紋様を再現するため、繰り返し焼成試験を重ねて忠実に再現。一方、鬼瓦は興福寺北円堂の鬼瓦を手本とした形状を突き止めました。鬼師・梶川亮治氏によると創建当時は鬼瓦専門の製作者による手法ではなく美術造形士の製作によるものではないかとのこと。梶川氏は「現代の名工」(平成25年厚生労働大臣賞)や世界最大の鬼瓦製作者としてギネス記録にも認定されている名工です。梶川氏に依頼した大小5点の鬼瓦は、劣化、破損していた既存の鬼瓦から創建当時を忠実に再現されました。内部の剛縁天井、壁羽目板、建具などについても創建当時の素材や加工方法の調査を充分行った上で復元製作を行いました。
工事名称: | 世田谷区立大蔵運動場温水プール改修工事 | ||
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工事場所: |
東京都世田谷区大蔵4-6-1(大蔵運動公園内) | ||
工 期: | 2014/06/20〜2015/03/13 | ||
規模構造: | 敷地面積17243.25㎡ 建築面積3118.12㎡ 延床面積7038.23㎡ 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造) |
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工事内容: | 外壁改修及び防水改修、50mプール天井の耐震化、 屋根の遮熱塗装塗替え、床タイル劣化部の張替え |
詳細
本工事箇所はアーチ状の二重天井構造からなり、特定天井の指定を受けている競技用プールの天井である。今回、国土交通省からの面積の広い天井についての見直しの通達があったため、危険性を考慮し、二重天井から膜天井への変更を目的とした依頼内容であった。
また、それに伴い老朽化した箇所を補修する目的も含まれていた。
3Dで湾曲となる屋根に対しての、精密な鉄骨下地工事写真からもわかるように、プールの一部屋根がお椀のように3Dで湾曲になっている。長辺60m以上×短辺33mの巨大な湾曲屋根は、高いところでプール水面から15mあり、結局、プール営業中は足場が無いことから一度も調査できなかった。限られた工期の中で施工する改修工事では、事前に調査し、材料を制作することが常識であり、だからこそ、短期間で工事が完了する。今回の工事ではそれができない、時間的にも、技術的にも大変厳しい現場であった。会社として保有している技術力の高さと、現場を担当した弊社技術者の熱い想い、また、弊社に集う強力な協力会社が、一体となり、全員で工事の効率化と安全性を追求し、入念な打ち合わせを行いながら進めたことが、工期内の完成につながった。
尚、世田谷区発注の平成26年度竣工工事工事成績では同率2位となり、工事の出来が素晴らしかったことを実証しております。
工事名称: | 世田谷区立塚戸小学校学校新BOP室増築工事 | ||
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工事場所: |
東京都世田谷区千歳台6-7-1 | ||
工 期: | 2020/3/31~2021/1/29 | ||
規模構造: | 鉄骨造 地上1階建て 敷地面積13,189.31㎡、建築面積207.77㎡、 延床面積213.78㎡ |
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工事内容: | 塚戸小学校新BOP室増築工事、東棟校舎改修工事 以上に伴う電気設備工事、機械設備工事及び外構工事 |
詳細
都内最多人口を誇る世田谷区の人口増加は90万人を超えてもなお止まることはなく増え続けている。
今回工事の塚戸小学校は、北~東側に超大型マンションが2005年に建設されたことから、生徒数が増加し、世田谷区有数のマンモス校となると共に、教室が不足する事態となった。
一方、少子化の進行や女性の社会進出等、子どもを取り巻く環境は大きく変化している中で、子どもの健全育成を図るには、子育て家庭への支援とともに、子どもの居場所を確保し、自由な遊びや体験・交流の場や仕組みを充実していく必要がある。
今回の工事では、このBOP教室の増築であり、子どもが安心して安全に過ごせる建物の建設である。
BOPとは‥‥(ボップ=Base Of Playing 遊びの基地)
工事をする上で、周辺地域への気配り、生徒・学校関係者とのトラブル防止、授業・学校行事への配慮等、多くの課題を確実に最良の形で克服した上で、複雑に絡み合った工事内容を紐解きながら順序良く進めることが大切。
今回はここにコロナ感染症対策も求められての工事となり、息の抜けない日々が続いたが、お施主様のご協力の下、協力会社と共に感染症対策に注意を払い、一人の感染者も出すことなく工事完成することができた。
基礎工事中にゲリラ豪雨を受け、小学校の建物と校庭に降り注いだ雨が現場に濁流となって流入した時は、現場にいた社長を含め現場監督全員で、全身ずぶ濡れになってポンプアップして雨水を排出したことは、貴重な経験であり、今後の教訓としてしっかりと学ぶことができた。